登録料納付・特許権付与
Q 一般に特許される確率はどの程度でしょうか。
特許庁が公表している統計データから推測しますと、概ね50〜55%くらいで推移しているようです(特許行政年次報告書2021年版参照)。
Q 特許査定を受けた場合、特許料は何年分納付するのでしょうか。
特許査定を受けた場合、最低でも第1年から第3年までの3年度分を納付する必要があります。お客様のご要望により、更に複数年分をまとめて納付することも可能です。
Q 4年目以降の登録料は、いつ納付すればよいのでしょうか
3年目が満了する前(前年以前)に納付する必要があります。4年目以降についても、複数年分をまとめて納付する ことが可能となります。
Q 特許権は、いつまで存続するのでしょうか。
特許出願の日から20年間存続します。
Q 存続期間満了後は、どのようになるのでしょうか。
存続期間が満了しますと、特許権は消滅し、以降、何人も自由に実施することが可能となります。
Q 特許出願から登録までにどの程度の期間がかかるのでしょうか。
通常審査の場合、審査請求から審査結果が届くまで約11か月かかりますので、出願と同時に審査請求をかけたケースで、1年半から2年程度になるかと思います。一方、早期審査をかけたケースで最短の場合には、1年以内に特許されるケースも見受けられます。
外国出願について
Q 外国出願には、どのようなルートがあるのでしょうか。
外国出願には、日本の特許出願の日から1年以内に、出願する国の言語の翻訳文を準備して、パリ条約の優先権を主張して直接外国出願をする「直接ルート(パリルート)」と、日本の特許出願の日から1年以内にPCT国際出願をして、日本の特許出願の日から2年6月以内に移行先の言語の翻訳文を準備して所望とする締約国に移行して権 利化を進める「PCTルート」があります。
Q PCT国際出願をするメリットを教えてください。
上記の通り、「直接ルート」では、日本の出願から1年以内に翻訳文の準備をして直接外国に出願する必要がありますので、時間的にタイトですが、「PCTルート」では、2年6月の準備期間がありますので、市場の動向をみながら出願すべき外国を判断するのに時間がかかりそうな場合には、検討時間を確保できるといったメリットがあります。 詳細は「役立つコラム」をご参照ください。
Q 国際調査報告とはどのようなものでしょうか。
PCT国際出願をすると、国際事務局作成の国際調査報告が送付されます。国際調査報告とは、新規性、進歩性につき関連のある先行文献を列挙して、新規性、進歩性について参考となる見解を示したもので、各国移行を意思決定する際に、 参考にすることが可能です。但し、各国審査は、国際調査報告の見解には拘束されず、各国ルールで独立して実施される点はご留意ください。
Q 国際公開制度とはどのようなものでしょうか。
PCT国際出願をすると、国際出願日から1年6月後にWIPOのHPで出願内容が出願公開されます。これを国際公開制度といいます。PCT国際出願を日本語でした場合でも、国際公開の公報では、要約書の部分は英語に翻訳されて公表されますので、国際的に先行文献として効果が向上 します。
Q どのような場合に、外国出願も視野に入れるといいでしょうか。
特許は各国独立で、日本の特許権は、日本国内でのみ有効です。したがって、お客様の製品の製造拠点が外国である場合や、製品の主要なマーケットが外国である場合等には、当該外国での権利化を費用対効果の観点から検討されるとよいと思います。
特許権侵害について
Q 特許権取得後、模倣品を見つけた場合、どのような対応をすればいいでしょうか。
模倣品が、お客様の特許発明の技術的範囲に属するかどうか判断する必要があります。特許発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載により定まりますが、特許請求の範囲の請求項記載のすべての構成要件を、模倣品が備えているかどうかという観点から、技術的範囲に属するか否かを判断するのが基本となります。この判断は、非常にデリケートな判断で、経験や知識が必要になりますので、弊所では協力関係にある弁護士を適宜紹介させていただいております。
Q 逆に競合他社より特許権侵害であると警告等を受けた場合、どのような対応をすればよいでしょうか。
貴社製品が、相手方特許発明の技術的範囲に属するかどうかの判断をする必要があります。この判断は、非常にデリケートな判断で、経験や知識が必要になりますので、弊所では協力関係にある弁護士を適宜紹介させていただいております。
特許調査について
Q 特許調査には、どのような種類がありますか。
特許調査は大きく以下の3つに大別されます。
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先行特許文献調査
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侵害予防調査
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特許無効調査
Q 先行特許文献調査とはどのような調査ですか。
お客様の発明について特許出願をした場合に、新規性、進歩性が認められるかどうかの調査になります。
Q 侵害予防調査とはどのような調査ですか。
お客様が製品の製造・販売等を予定されている場合に、お客様の製品の実施が、他社特許の侵害とならないかどうかについての調査となります。
Q 特許無効調査とはどのような調査ですか。
お客様が特許権侵害等で警告、訴訟を起こされた場合に、そのカウンターとして、当該特許権を無効審判により無効とするための証拠を探す調査となります。
実用新案登録制度について
Q 特許出願ではなく、実用新案登録出願を選択する場合とは、どのようなときでしょうか。
お客様のアイディアに関わる製品のライフサイクルが短い場合や、出願費用を抑えて早期に権利化を図りたい場合には、実用新案登録出願を選択されるケースも多いです。
Q 特許制度との違いを教えてください。
実用新案制度は、無審査登録主義を採用しておりますので、出願をすると、基礎的・方式的な審査さえ通過すれば原則として登録され、権利が付与されます。この点は、特許制度との大きな違いになります。
ビジネスモデル特許について
Q ビジネスモデル特許とは、どのようなものでしょうか
ビジネスのスキーム(仕組み)について、それを実現するIT技術等を特定した上で、「方法」「システム」等のカテゴリで特許された場合、それを一般には、「ビジネスモデル特許」と称しております。一般的には、あたかもビジネスのスキームそのものが発明であるかのような印象を持ち兼ねませんが、あくまでもそれを実現するIT技術等を特定してはじめて発明として認められているのです。
Q ビジネスモデル特許の出願を依頼する場合、どのような資料を準備すればよいでしょうか。
先ずは、ビジネスのスキーム等を記載した社内プレゼン資料等をご準備いただければと思います。来所面談では、その資料に基づいて、口頭でスキームをご説明いただき、その上で、特許出願に際して必要な資料等については適宜助言させていただいております。
Q ビジネスモデル特許を取得するメリットは何でしょうか。
ビジネスモデル特許を取得できると、特定のビジネススキームをITで実現するサービスを独占的に実施することが可能となります。あくまでもそのスキームを実現する技術的手段(IT)を特定した上での権利化となりますので、競合他社が異なる技術的手段(IT)によりそれを実現するような場合には、権利範囲外となり権利行使できませんので、その点はご留意頂ければと思います。但し、い ままでIT化が実現されていなかったようなサービスモデルに、IT化を施して、新規なサービスを実現したような場合には、ビジネスモデル特許取得は、業界内でのインパクトは大きいと思います。
Q 特許無効調査とはどのような調査ですか。
お客様が特許権侵害等で警告、訴訟を起こされた場合に、そのカウンターとして、当該特許権を無効審判により無効とするための証拠を探す調査となります。
AI特許について
Q AIをビジネスに活用しているのですが、特許出願すべきでしょうか。
AIを活用した発明については、コンピュータ・ソフトウェア関連発明に属しますが、お客様のビジネスモデルにAIを活用することで、例えば、演算結果をいままでになかったような態様(見え方)で可視化可能とした場合には、当該可視化の部分について権利化を図ることで、競争優位を構築できる場合もございますので、是非弊所にご相談ください。